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Channel: 紙ヒコーキ。
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秘密のガンマちゃん

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一生懸命 働いてるんですけど、ブログ放置気味のTochinです(^^ゞ

さて今日はRG400/500γです(^^)b

ガンマ用のSP-TDCは今までに何台か作ったんですが、なぜか不明な点が多く
はっきり動作した・・・ とも言い切れず、わりと台数作ったのにラインナップできない車種なのです(^_^;)

SP-TDCを作るのに一番必要なのは、ノーマルのピックアップ信号がクランク角何度でくるのか です。
紙ヒコーキ。オリジナルのピックアップローターに交換できる場合はいいんですが、
RG400/500γはピックアップ信号用の突起がフライホイールには無く、クランクそのものに切欠きが
あるため、ローターの交換は不可能です。
なのでノーマル信号に合わせたSP-TDCを作るわけですが、今まで聞いたピックアップ信号のクランク角が
一度も同じだったことがない orz

さらに、クランクの回転方向、直径、ピックアップコイルが付いている位置、そんなことまで毎度違ってました。

ガンマって・・・ 一台一台 手作りなの (´・ω・`)?

しかも、今までに受注したガンマの半数以上はエンジンだけがガンマで、車体は別のものっていう
バリバリのカスタムマシンで、もちろんエンジンにも手が入ってるわけです。
なんともノーマル率の低い車種なのです。

現存数が少ないうえにノーマル率が低いと、何がノーマルだったのかサッパリ (´・ω・`)?
こちらとしてはヒジョーに作りにくい車種で、
お客さんに計測してもらって作るっていうのはやっぱ無茶苦茶なんだなぁ~ ( ̄。 ̄)
と思わされた車種のひとつです(笑

てことで、長年秘密のベールにつつまれたガンマですが、今回、お客さんのご厚意でテスト計測用の
500ガンマのエンジンをお借りすることができました\(^o^)/
これで長年のナゾが解けます。

待ちに待ったガンマエンジンが届きました♪

イメージ 1
クール便で ( ̄∀ ̄*)

お~~ さすが ガンマエンジンは要冷蔵なんだな。

思っていたよりずいぶん小さい。

イメージ 2
しかも ピンクのガムテがかわいい♪

イメージ 3
ほーーー!!! これがガンマエンジンですね!!!

イメージ 4

早速、計測開始です!

イメージ 5
ピックアップコイルは、画面中央のリアバンク(バンクっていうのかな!?)の左側についてるんですね。
クランク軸がふたつ、フライホイール軸も別という特有の形状です。
クランク軸とフライホイール軸はギア駆動ですね。
ということで、クランクは進行方向に対して逆回転(時計廻り)で、フライホイールは正回転(反時計)です。
クランクとフライホイールの回転は1:1でした。

全周分度器はもってないので、DVDに印刷しました(笑
イメージ 6

ダイヤルゲージで上死点を出したんだけど、やっぱりシリンダーとピストンがないと正確には出なかったので
結局 画像計測にしました。

ピックアップコイルの位置はシリンダーを基準に96°でした。
イメージ 7

クランクの切欠き位置は、左側のコンロッド大端センターから104°と120°。
イメージ 8

これらからピックアップ信号のクランク角はBTDC24°~BTDC8°と判明♪
今まで聞いたクランク角のどれとも同じではありませんでした(^_^;)
しかし、確かに測りにくいエンジンでした。

これで長年ナゾだったことは、やっと、やっと解りました♪  スッキリしたぁ~\(^o^)/

が・・・・   ここで大問題発見。
イメージ 9

わかります?
左のコンロッドを上死点の位置にして、自然にコンロッドをたらした状態です。
なんとガンマは180度クランクではなかったのです・・・   なわけない!
そう、左右のクランクの位相ズレです。
なんと205度クランクになってました(笑

本来180度なので、25度もズレてます。

まぁこのエンジンは計測用で動いてるわけじゃないそうなので問題ないですが、
これはお客さんも気づいてなかったらしいです。

ピックアップ信号は左側のクランクから拾うので、位相ズレがあると右の点火タイミングが狂ってしまいます。
このクランクは25度遅れる方向にズレていたので、点火タイミングは25度進角してしまうことになります。
25度も進角したら、もちろん焼き付きにつながりますね。

2stだからクランクの中央にはシールがあるので、どうしても分割クランクになりますね。
クランクリビルドでずらしてしまったのか、走行中にズレてしまったのかはわかりませんが、
手でひねったところでびくともしませんでした。

しかも、ここがズレることがあるとなると、スクエアフォーのエンジン形式では結構な致命傷かと。

クランクの全容はこうなってました。
イメージ 10

バラしてみないとハッキリした構造はわかりませんが、左右の位相ズレがあるとなると
左クランクにたいしてセンターのギアもズレる可能性あり!?
センターのギアは54Tだったので、もし組立時にひとつずらしてしまうとフロントとリアでクランク角6.6度の
ズレになります。
つまりギアの咬み合わせでは6.6度単位でしか合わせられません。
もしギアが微妙にズレてしまうと6.6度以下のズレが出てしまいますね。

このズレはそのまま点火タイミングのズレになるので、2stで6.6度も点火タイミングがズレると
まず完調にはなりません。

このギアの位相って、内燃機屋さんにどうやって指示出すんだろう?
指示もなかなか難しいですよね。

そういえば2stではクランクの位相ズレってそんなに聞かない気がします。
たぶん構造上、多少ズレても動くんでしょうけど、点火の観点からするとかなりの大問題です。

パラレルツインならギアの位相は関係ないけど、左右の位相ズレは同じように影響がありますね。

このガンマのクランクは、単なる作業ミスなのか、ガンマが走行中に位相ズレを起こすクセがあるのか
現状ではわかりませんが、とにかく位相ズレを起こす可能性があるとなると、
これはSP-TDCではどうにもなりません。
まさか4気筒独立の点火タイミングなんてアホな対策もできませんし(笑

あまり語られることのない位相ズレと点火タイミングの関係ですけど、エンジン開けなくても
全気筒の上死点を出せばズレてるかどうかはわかるので、一度確認してみるのもいいかもしれませんね。

全然 別の問題を見つけてしまいましたが、長年わからなかったガンマエンジンを見ることができて
本当によかったです(^^)
これでようやくガンマのピックアップ信号角度がわかりました♪

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